目 次

 第一章 古代の歴史と文学

1 『風土記』の浦島子伝説と浦島太郎  中村俊之
2 『万葉集』防人歌の虚実  小野一之
3 『日本霊異記』と古代史  小倉慈司
4 『竹取物語』の歴史性――五人の求婚者と難題の品を中心に――  皆川雅樹
5 『菅家後集』と蝦夷交易  村岡薫
6 「尾張国郡司百姓等解文」と『将門記』――十世紀の地方政治――  樋口州男
7 『伊勢物語』「東下り」の構想  小野一之
8 清少納言と『枕草子』――「中宮の記録係」が遺したもの――  高松百香
9 『源氏物語』の五節舞姫――朝廷儀式のジェンダー――  服藤早苗
10 『更級日記』からみた受領のくらし  戸川点
11 『今昔物語集』にみえる領主と社会  守田逸人
12 『梁塵秘抄』の映し出す世界  佐伯智広
13 『陸奥話記』にみる「歴史と文学」のはざま  遠藤祐太郎

 第二章 中世の歴史と文学

1 『山家集』からみる女院とその周辺  野口華世106
2 『方丈記』にみる中世の都市災害  田中大喜116
3 『平家物語』と史実――木曾義仲主従の首渡し――  長村祥知
4 『沙石集』にみる鎌倉時代の法・裁判・幕府権力  下村周太郎
5 『とはずがたり』にみる遊女への共感と背景  野村育世
6 『徒然草』にみる内乱前夜の社会  櫻井彦
7 『義経記』と中世の江戸  田辺旬
8 『曾我物語』と頼朝――「天下草創」の物語――  岩田慎平
9 『太平記』から読みとる戦乱と地方武将――楠木軍団の実像――  錦昭江
10 謡曲と在地伝承  樋口州男179
11 時代を映す「桃太郎譚」  間瀬久美子

 第三章 近世の歴史と文学

1 『心中天網島』にみえる「元禄心中ブーム」と幕府の禁制  原田佳伸
2 赤穂事件と『仮名手本忠臣蔵』  平井誠二
3 江戸のベストセラー『文武二道万石通』  湯浅淑子
4 『浮世風呂』にみる江戸の出版文化と広告  佐伯英志
5 百姓一揆と創られる「義民物語」  長坂良宏
6 実録物「中山物語」の展開――寛政期の尊号一件の余波――  田中暁龍